本当の健康住宅とは自然素材の有無にあらず。住んでから家中を除湿してカビやダニを予防できる高気密住宅のことです(・∀・)

クインティプル(五重)サッシについて想う

クインティプル(五重)サッシについて想う

将来、一条工務店がクワトロ(四重:クアドラプル)サッシを開発するのか興味深々な私ですが、もしかしたらクインティプル(五重)サッシも可能かもなんて妄想をしてみたいと思います。

 

サッシの現状

最近ではトリプルサッシを搭載したハウスメーカーが増えてきましたが、実は準防火地域では使えない窓が多くて、ペアサッシになる場合が多いと思います。

さて、一条工務店のサッシは単体の断熱性能(U値)が、トリプルサッシ0.8W(ハニカムシェードあり0.6W)、ペアサッシ1.72W(ハニカムシェードあり1.09W)です。

U値は小さいほど断熱性能が良いことを表し、1.72Wの窓と0.8Wの窓を比較すると、窓から逃げる熱は2.15倍も違うということになります。

そして、現状では有料になりますが一条工務店は準防火地域では三階建てを除いて防犯・防火トリプルサッシが搭載できます。これは最重要ポイントです。

都市部に多い準防火地域で網の入ってないトリプルサッシが搭載できることは断熱マニアの悲願とも言える快挙です。しかも防犯合わせガラスなんて凄過ぎます。

断熱のことを良く知らない方でも、窓の結露を考えるとペアサッシとトリプルサッシでは全然違いますから、温暖地でも窓の結露によるカビの予防にトリプルサッシが有効だとお分かりになると思います。

他ハウスメーカーの営業さんがおっしゃる「そこまでの性能は必要ない」という意味不明な言葉がありますが、「どんな計算に基づいて仰ってますか?」と聞いてみてください。

マンションだと未だにアルミサッシのペアガラスの3.49Wが主流で、建売住宅ではアルミ樹脂複合サッシの2.33Wが主流だと思いますから、いかに日本の住宅の性能が低いかわかります。

さて、性能面で一条工務店に挑戦しようとしている(?)、アイフルホームのトリプルサッシは現状ではトステムのエルスターXなのでU値は0.79Wと高性能ですが、防火サッシではないため、準防火地域の場合は、防火戸サーモスXに変更になると思いますからその場合のU値は1.58Wです。

初心者の方はアイフルホームを見学すると0.79Wという一条のトリプルサッシを性能で若干上回るトリプルサッシが搭載できると誤解してしまうと思いますが、準防火地域はそんなに甘くはないのです。

つまり、準防火地域では良くあるQ値のハウスメーカー比較はあまり意味がなくて、防火のトリプルサッシを搭載できるハウスメーカーはごくわずかです。

広い土地をお持ちの方は意識されないかもしれませんが、都市部に多い準防火地域では使える防火トリプルサッシ自体がほぼないため、一条工務店の防火トリプルサッシはかなりの価値があるものなのです。

「一条工務店のような家は作れますよ」という工務店はあると思いますが、準防火地域ではコスト面から防火トリプルサッシが用意できないと思いますから、断熱材だけ分厚くて窓がペアサッシの家になると思います。

防火認定を取っているトリプルサッシではスウェーデンハウスの木製のサッシがありますが、U値は1.61Wの様です。最近ホームページからU値の表示が見えなくなりましたね。

つまり、一条工務店のトルプルサッシからみると、準防火地域では他社の窓は逃げる熱が倍なのです。この様にまだまだ家の性能では一条工務店に追いつけるハウスメーカーはないということが分かると思います。

なお、私が二軒目の家を建てた2010年頃にサッシメーカーによる防火サッシの虚偽申請が発覚して大変なことになりましたが、それが発覚した原因は一条工務店がきちんとした性能のある防火サッシの認定を申請したことが原因だと言われています。

 

 

高性能サッシの現状

10年前はトリプルサッシなんてなかなかお目にかかれなかったですが、クワトロサッシも同様に10年後には普及しているのかも知れませんね。

現状で最高性能の窓は0.5W強のU値であるため、壁並みの断熱性能なんて言われまが、一方でガラスの枚数が増えるため冬季の日射取得熱が減ってしまいます。

そして、超断熱のi-smart2の壁のU値0.135Wと比較すると4倍の熱が逃げますから、窓がどんなに高性能になっても、やはり冬に日射の入らない窓は小さい方が良いでしょう。

現状の有名所ではトステムのレガリス(0.55W)とキマド社のクワトロ 0.51(0.51W)の方式があると思います。

有名なレガリスは5枚ガラスの4つの空気層という構成です。ただ、防火認定は取れていませんし、重量が重すぎるため搬入が困難であると思いますから、都市部では採用されることはないでしょう。

また、Low-Eガラスをここまで多層化すると冬季に日射取得熱が得られないので、この窓は陽当りの良くない方向に設置すると良さそうです。

 

さて、レガリスのような構造が難しい高性能な窓がある一方で、キマド社では以下のように内窓を設置する方式であり、現実的にはこのような構造の方がコスト面からも普及しやすいのではないかと思います。

(出典:キマド株式会社

上記はキマド社のクアトロサッシで防火認定を取っています。構造を見ると木製ペアサッシの間にハニカムブラインドが挟まれています。防火認定をこうやって突破しているのは素晴らしいアイデアですね。

引違いの窓はまだないようですが、この窓構成だと室内側の水蒸気が窓の中に入ってしまうと、冬季にハニカムブラインドが結露する可能性がありますので、防湿には十分に注意が必要だと思います。

この窓は特許出願中とのことですが、この内窓にハニカムシェードを追加した構成のサッシなら一条工務店は作れるはずです。

どの部分が特許なのかわかりませんが、防火トリプルサッシ+ハニカムシェード+ペアサッシなら一条オリジナルのクインティプル(五重)サッシも夢ではないかも知れません。

 

 

計算してみました

では、キマド社のような内窓とハニカムシェードがある構成で一条工務店のサッシを使ってクワトロサッシとクインティプルサッシの計算をしてみます。

F式の結露計算ツールについては、結露計算についてはあくまで私的な計算ですが、U値の計算に関しては省エネ基準と単純合計の2通りが可能です。実験施設で計測すると単純合計に近い値が出るようです。

今回の計算条件は室内は室温22℃・相対湿度40%、室外は相対湿度が80%で温度は個別指定とします。U値は計算結果の画像の右上、結露計算は構成の右側の列の結露判定をご覧ください。

 

クワトロ(四重)サッシ

構成はペアサッシ(1.72W)+ハニカムシェード+ペアサッシ(1.72W)です。U値は省エネ基準が0.98Wで、単純合計だと0.48Wです。

室内が室温22℃で相対湿度が40%の場合、外気温がマイナス8℃で結露すると出ますから、室内側からの水蒸気の移動については考慮して、もっと温度が下がっても結露しないように防湿をする必要があるでしょう。

i-smartの初期に搭載されていたペアサッシの住宅は寒冷地だと結露に悩まされると思いますから、そのリフォームにもクワトロサッシは良さそうです。

 

クインティプル(五重)サッシ

構成はペアサッシ(1.72W)+ハニカムシェード+トリプルサッシ(0.8W)です。U値は省エネ基準が0.54Wで、単純合計では0.37Wです。

室内が室温22℃で相対湿度が40%の場合、外気温がマイナス22℃で結露すると出ますから、この窓構成なら北海道の最寒冷地でも結露しないでしょう。

恐るべき、クインティプル(五重)サッシの性能ですが、一条工務店ならこの構成は難なく作れるはずですが、100万円ぐらい建物価格がアップしそうです。

もし、こんな窓が開発できたら、i-cube専用にして欲しいと思います。キューブの名前が示す通り、建物を真四角にした家がQ値に優れますから、「家は、性能。」の一条工務店の性能面のフラッグシップモデルとして、i-cubeは存在し続けて欲しいものです。

 

セクスタプル(六重)サッシ

おまけで、セクスタプル(六重)サッシまで計算してみましたが、この窓はバランスが悪そうです。

構成はトリプルサッシ(0.8W)+ハニカムシェード+トリプルサッシ(0.8W)です。U値は省エネ基準が0.50Wで、単純合計では0.29Wと驚愕的な数値です。

室内が室温22℃で相対湿度が40%の場合、外気温がマイナス14℃で結露すると出ますから、5重サッシより露点が大幅に下がっています。

これはトリプルサッシを内窓に使うと断熱性能が良すぎて室内の熱が外窓まで届かなくなるためで、これを回避するには室内からの水蒸気の動きをもっと止める必要があります。

断熱と防湿(水蒸気の遮断)はセットですから、このバランスが難しいところですね。そして断熱性能だけでなく日射取得も考慮する必要があります。

窓ガラスの枚数が増えると窓からの日射取得熱が減って冬季の暖房費用が増えかねないため、南側には余りにも窓ガラスが多層化された高性能なサッシは設置しない方が良いでしょう。

 

 

高性能サッシの問題点

断熱性能が良いと大きな窓にしたくなると思いますが、ガラス面積が大きくて枚数が増えると重量が重たくなりますから、二階に設置すると梁に過重がかかって耐震性に問題がでるような気がします。

二代目の家では5mmの防火ガラスを入れたのですが、ペアサッシであったにも関わらず、掃き出し窓は障子が重たくて1人で持ち上げるのは困難でした。

建設時は隣地が空き地ある場合はご厚意で上棟時にクレーン車を置かせて頂けることもあると思いますが、入居後に重たいサッシのガラスが割れた時の交換はどうするのかと考えさせられてしまいます。

ガラスが熱割れした場合に交換が困難であると思いますから、高性能な窓を開発するのであればキマド社のような、内窓タイプのサッシの方が柔軟性があると思います。

また、内窓を設けてハニカムシェードを下げることで冬季以外の日射熱によるオーバーヒートも防止できると思いますから、現状では窓の日射制御の弱い一条ハウスの改良にもつながると思います。

 

以上、技術面の記事は書いてて楽しいと感じますね。

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