本当の健康住宅とは自然素材の有無にあらず。住んでから家中を除湿してカビやダニを予防できる高気密住宅のことです(・∀・)

内覧会♯07 エアコン

内覧会♯07 エアコン

前回、空調設備である床暖房をご紹介した関係から今回は空調つながりでエアコンをご紹介をします。

なお、少しの冷房エネルギーで家が冷えてしまう超断熱の一条ハウスですから、肌寒くジメジメした梅雨に備えて、室温の下がり難い再熱除湿機能のあるエアコンを選定しております。

平屋の全館冷房のエアコン設置場所を検討しました

設置したのは8畳用のエアコン1台のみで、上記が画像の赤く囲ってある部分にエアコンを設置しました。なお、黄色の部分がリビングで青い部分は冬季に冷気が発生する大きな窓と玄関を表しています。

今回は冷房だけでなく補助暖房としてもエアコンを使うことを重視していますから、冬季のコールドドラフトが流れる場所への対策と夏季の冷房運転時に人に冷気が直撃しない点を考慮する必要がありました。

全館冷房では除湿を継続するために(サーモオフを防止する)、「夜間も含めて常時熱の集まる周囲が解放された広い空間+人に冷気が直撃しない場所」にエアコンを設置するという法則があります。

二階建ての場合は階段ホールや吹き抜けという明確なエアコンの設置に適した場所がありますが、平屋の場合は最初から適した場所がないため、設計時に意図的に設置場所を作り出す必要があります。

そして、単純に壁にエアコンを設置するのは勿体ないのでちょっと工夫した設置場所を考えてみました。

 

エアコンの下部は自在棚にしました

エアコンを設置した場所の下部が勿体ないため、上記の様にエアコン設置位置は壁を張り出し、エアコンの下部は自在棚を設置した上で、住設のリモコンの集合場所としました。

ちなみに、全館冷房用のエアコンはお掃除機能や気流制御等の機能は特に必要ありません。梅雨を考えると再熱除湿機能は必須ですが、出来ればエアコンの風向きが左右に調整できる機種が望ましいです。

 

実はエアコンからの冷気が人に直撃しないように念には念をいれて、前からエアコン下部にサーキュレーターを設置できるように考えていたのですが、それならいっそ棚を作ってしまうことにしました。

この様に設計段階からエアコンの設置位置および住設のリモコンが整然と並ぶように施工連絡表を設計士さんに起こして頂いています。

 

室外機の騒音対策は大事

上の画像はエアコンの足に黒い防振ゴムが設置されていることが分かります。また、寒冷地なので降雪に備えてエアコンは架台に乗ってます。

さて、室内のエアコンの設置位置ばかりに気が行ってしまい勝ちですが、ご近所とのトラブル防止も重要で、エコキュート・床暖房・エアコンといったヒートポンプ機器は室外機の設置場所が重要です。

ヒートポンプ機器の室外機は低周波音を発生させるため、ウルサイというよりは精神的に辛いと言った方が良いでしょう。そして、エコキュートは人が寝静まっている深夜に稼働しています。

四代目は敷地が広いため、室外機設置のスペース不足の問題はありませんでしたが、将来お隣さんが建った時のことも考えて、念のため道路側に室外機を向けて設置しました。

前にヒートポンプ機器の深夜の騒音問題がニュースで取り上げられていたことがありましたが、一条施主でした。24時間暖房を動かしているのは日本では一条施主が大半だと思いますから、ある意味当然ですね。

私も二代目の家を建てている最中にお隣さんから室外機の向きを変えて欲しいと言われたことがありましたが、お隣の一階のリビングがお年寄りの寝る場所になっていたのは想定外でした。

家を建てる際は室内だけでなく、ご近所トラブル防止のために床暖房やエアコンの室外機は24時間運転しても大丈夫な場所に設置しましょう。道路や隣家の玄関やお風呂やトイレなどに向けて設置すると良いでしょう。

 

 

寒冷地エアコンを選択した理由

(出典:日立アプライアンス

現在では再熱除湿の付いた三菱のJXVシリーズが一条工務店のエアコン設定品に入りましたが、私が四代目を設計している時は、設定品オプションのエアコンに再熱除湿の機能の付いたエアコンはありませんでした。

そこで私はかねてより目を付けていた再熱除湿の本家である日立のエアコンを四代目に採用しようと考えました。そして、ただのエアコンでは面白くないので寒冷地用エアコンにしました。

三代目のi-cubeでは一条ハウスが床暖房を使わずにエアコンだけで全館冷暖房ができるか試し、さらにさらぽか空調を搭載して「エアコン冷暖房」VS「さらぽか空調」を試してみました。

当然、四代目についても、一条工務店の提供するノーマルの床暖房だけでは私としては新たなチャレンジがないので、何か空調か省エネの実験をしたかったのです。

最初は太陽熱温水器を設置した太陽熱か井戸を設置して地中熱を利用したかったのですが、一条工務店の枠組工法では屋根に太陽熱温水器を設置するのはNGでした。軸組工法なら事例はあるそうです。

それならばと、井戸を掘って一年を通じて温度の安定している井戸水を省エネのために使えないかと考えましたが、名水の産地である地域であるため、自治体から新規の井戸の掘削は許可が下りませんでした。

八方塞がりの状態で唯一できたことが、前から興味があった寒冷地エアコンを設置でした。一条工務店が再熱除湿機能の付いたRAYエアコンを廃止したためエアコンを別途設置する必要があったという理由もあります。

21坪の狭い平屋ですが、高性能な一条ハウスですから8畳用のエアコン1台で全館冷暖房が可能というよりはエアコンは若干オーバースペックな状態だと思います。

ただ、選択したエアコンが暖房能力を問われる寒冷地用エアコンなので、さらに小さい6畳用のエアコンがありませんでした。8畳用のエアコンで十分に全館暖房ができるはずなので床暖房はなくても大丈夫とも言えます。

エアコン暖房は設置方法や運転方法次第で床暖房に勝るとも劣らない暖房方式になると私は思いますが、一条工務店の工場見学ではエアコン=悪のような取扱になっています。

それは当然で、人に温風が直撃するような場所でエアコンを運転すれば、住み心地が悪いのは当たり前であり、私の提唱しているエアコンの設置や運転の方法は、世間のエアコンの使い方とは全然違います。

ただし、エアコンの弱点としては空気暖房であるがゆえに、冬季にエアコンが霜取り運転に入った際には温風が止まるため、霜取り運転中は暖かくないという点です。

一条工務店の床暖房は温水方式なので、室外機の霜取り運転中についても、循環する温水が急に冷えることはないため、利用者には霜取り運転の存在がわからない優れた暖房方式であると思います。

この霜取り運転中のエアコン暖房の不快さを解消するために、霜取り運転中も継続して温風が出せる寒冷地エアコンを選択したという訳です。

そして、床暖房のCOP(成績係数)は4.2倍ですが、私が選んだエアコンはCOPが5.7倍あります。つまり、私の選んだエアコンは床暖房よりも36%も省エネなのです。

まぁ、一条ハウスの超断熱であれば、COPが4.2の床暖房でもそんなに電気代は高くないと思いますが、寒い地域にお住まいの方には寒冷地用エアコンの採用は検討の価値があると思います。

ぜひ、高気密高断熱住宅の実験や省エネに興味がある方は温暖地にお住まいであっても寒冷地エアコンを選択して欲しいと思います。

 

 

大きな窓が冷房病を招く

(出典:アイリスオーヤマ

上記の画像は日本家屋で高確率で発生するソファの上にエアコンの状態です。「風が吹けば桶屋が儲かる」のような話ですが、日本家屋は「掃出し窓をたくさん設置するから冷房病を招く」のです。

例えば、リビングに床まである大きな窓を設置する方が多いですが、窓の前にはソファは置かないでしょう。大きな窓を設置すると壁が減りますから、自ずと家具とエアコンは部屋の隅の方に設置することになります。

エアコンがソファの上に来てしまう、若しくはソファの前にエアコンが来てしまうのは、窓を大きく設定することが常識となっている日本家屋の設計に従えば、かなりの高い確率で出現する当然の結果なのです。

これをもってエアコン=冷房病という相関関係にしてしまうのは何だか違う気がします。大きな窓が冷房病を招きやすいという相関関係であれば正しいと思います。

私は掃き出し窓など床まである窓を沢山設置することはお勧めしません。大きな窓があると熱の出入りが増えること以外にも、家具やエアコンが設置し難くなるため、腰高以上の窓も採用した方が良いでしょう。

 

 

間違いだらけのエアコン情報

エアコン冷房は28℃設定が省エネ。
吹き抜けにはシーリングファンがあると効率的。
エアコン冷房は冷房病になる。
24時間冷房運転と間欠冷房運転はどっちが省エネ?
冷房運転・弱冷房運転・再熱除湿はどれが省エネ?
エアコン暖房は温まらない。
エアコン暖房は乾燥する。
床暖房があればエアコンはいらない。

世間には上記のようなエアコンの運転についての話題があると思いますが、電気代を抑えながら24時間空調をする事が可能な高気密高断熱住宅では世間で言われるエアコンの常識は全部無視して下さい。

そして、高気密高断熱住宅にお住まいの方が発信する情報についても、高気密高断熱住宅の四季それぞれの特性を知らないまま、これまでの住宅と同じように設計して生活している人が多いことも事実でしょう。

まず、夏季においては温度だけでなく湿度を管理してカビやダニの発生防止を求めるのであれば、除湿を24時間連続して実施する必要があるため、エアコンの設置場所や運転方法は常識とかけ離れて当然です。

日本人が好む風通しの良い家とは、本来は建物を老朽化させる湿気を排出する手段が文化として定着化したものだと思いますが、いつの間にか窓を開けて換気することが健康的だなどと、目的を忘れた議論が横行しています。

そもそもの目的が湿気の排出であるのならば、風通しという自然任せの不完全な方法ではなく、エアコンなどを使った確実な除湿が建物から湿気を排出するという目的を達成するより有効な手段であることは明白です。

夏季に除湿をするためには、エアコン室内機の熱交換器を良く冷やして空気中の水分を結露させることで除湿されますから、1台のエアコンに負荷をかける(熱交換器を露点以下にしっかり冷やす)必要があります。

一方で冬は湿度をエコアンで調整しないため、1台のヒートポンプ機器に負担をかけずに分散運転した方が省エネとなります。これはヒートポンプ機器の特性で高温を出力させると省エネ性が大きく落ちるからです。

内外気温差の大きい冬季は特にエアコンに負担がかかるため、分散運転した方が省エネになりますし、室外機の唸り音も下がりますから、床暖房だけに拘らず、エアコンの併用も検討されると良いでしょう。

エアコンというヒートポンプ機器は夏と冬では運転の考え方が違います。除湿が必要なら1台に負荷をかけ、除湿を必要としない状況であれば省エネに拘って複数台での分散運転をします。

何をもって省エネとか効率的と考えるかは目的によって大きく変わるのですが、世間のエアコンの情報は全体感がないというか、一部分をもって全体を論じるような傾向にあると私は感じています。

ただ、私も最初からこんなことを知っていた訳ではなく、二代目の家を建てて全館冷房に挑戦したときに学んだことです。ぜひ、この知識をこれから家を建てる多くの方に知って頂ければと思います。

 

以上、エアコンでした。