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本日は設計時に全館冷房を想定していなかった家を全館冷房する方法を考察します。

全館冷房をやってみたけど、上手く行かないという方もいるでしょう。設計時点から全館冷房を計画していない家は全館冷房ができないかというと必ずしもそうではないと思います。しっかりと全館冷房の仕組みと対策を理解すれば大型エアコンを使っても全館冷房が出来る可能性はあると思います。

しかし、ただ何となくエアコンを運転しても初めて全館冷房する方は上手にエアコンを運転できないと思いますから、エアコン吹き出し口の絶対湿度に基づいて運転しましょう。絶対湿度が低い空気=除湿され乾燥している空気という意味になります。

本稿は私のエアコン全館冷房の経験における理論上の推測であるため、あくまで参考としてください。

 

必ずエアコンから出てくる空気の絶対湿度をチェックする

 

全館冷房を行うエアコンの吹き出し口には必ず温湿度計を設置してください。我が家は針金で温湿度計を引っかけて吊るしています。エアコンの設定温度が高いと温度だけが下がり除湿が進まない場合がありますから、除湿が進んでいるかエアコン吹き出し口の絶対湿度を測る必要があります。

上記画像はi-cubeの二階階段ホールに設置した2200W(2.2kW)のエアコンであり、左側の「みはりん坊W」に表示された絶対湿度は11.3グラム(m3)、右側のワットチェッカーでは消費電力が205Wと表示されています。これは再熱除湿ではなく冷房運転の状態です。

みはりん坊Wをお持ちでない場合、エアコンの吹き出し口に設置するのは現在お持ちの温湿度計でも構いませんが、その場合は絶対湿度がわからないため、F式内部結露計算シートをご利用頂き絶対湿度を計算してください。簡単に計算ができます。

上記画像の右側の温湿度計に表示は、温度13.6℃、相対湿度95%、絶対湿度は11.3g/m3です。この温度と相対湿度を計算シートに入力すると絶対湿度がほぼ同じ11.2g/m3と出てきます。エアコンから出てくる絶対湿度が低くないと全館を除湿することはできません。

 

 

以下は現時点の自宅のエアコンの吹き出し口です。二階にある2.5kWのエアコンでの冷房運転ですが吹き出し口の絶対湿度は10.6g/m3と低いです。エアコン吹き出し口の絶対湿度が12g/m3以下でないと、家全体を除湿することはできないでしょう。この時点で外気の絶対湿度は20g/m3を超えています。

 

エアコン吹き出し口の絶対湿度が低すぎれば、設定温度を1℃ずつ上げ、絶対湿度が高過ぎれば設定温度を1℃ずつ落とします。こうして自宅に合った設定温度を求めます。冷房運転の場合はエアコン風量が大きいと除湿量が減りますからエアコンの風量は最も弱くすると絶対湿度が下がるでしょう。

冷房運転の場合は上記画像のように、吹き出し口の温度は低く、相対湿度は90%にもなります。これは再熱をしていないためエアコン室内機の熱交換器で結露(相対湿度100%)して除湿したあとに出てくる空気であるため湿度が100%に近くなるからです。

相対湿度が高いと除湿されていないと誤解されるかも知れませんが、絶対湿度が低ければ除湿されているということになります。冷たいこの乾いた空気は室内の空気と混ざることで、温度があがり相対湿度がさがります。

再熱除湿の場合はエアコン内部で除湿された空気が暖められてから出てくるため、温度は設定温度程度で相対湿度が下がった状態で出てきます。再熱除湿はエアコンがある天井付近がエアコン自らの冷気で冷えないためサーモオフになり難いことから風量を増やしても大丈夫だと思いますが、まずは除湿量を増やすために風量は最弱からスタートした方が良いでしょう。

 

 

可能であれば以下のようにワットチェッカーを付けるとさらにエアコンの動きが良く分かりますが、RAYは200Vであるため業務用のワットチェッカーしか国産ではみあたりません。20W程度の消費電力なら除湿しておらず、送風モードになってしまっていますので、設定温度を下げましょう。

エアコンの能力は2500Wであり、消費電力は135Wと少ないですがこれで全館冷房ができています。最近のエアコンは除湿が苦手であるため、運転が難しいですが、この少し前のエアコンは少ない消費電力で全館冷房ができます。これはエアコンのメーカーや機種ごとに特性は異なると思います。

 

 

以下の画像は一階リビングです。一階のリビングは二階の小型エアコン1台によって相対湿度が60%以下に抑えられています。除湿量が足りない場合はエアコンの設定温度を絶対湿度が下がるまで下げてください。冷房運転でも再熱除湿でも吹き出し口の絶対湿度が低くないと全館の除湿はできません。

 

現状ではエアコンの能力の5%程度しか使っていないことから、さらに除湿することもできますが、冷房運転の場合は室温も同時に下がってしまうため、この程度の除湿で抑えています。消費電力も上がってしまいますからね。

 

 

どのエアコンを全館冷房に使うか

まず、全館冷房をするには基本的には家中のドアを全部開けて、エアコンから出てくる除湿された空気が各部屋に行き渡るようにします。そしてエアコンはずっと同じエアコンを24時間運転し、できれば二階にある1台のエアコンだけを運転します。

全館冷房がやりやすいエアコンと難しいエアコンがあります。二階にエアコンがあるとやりやすいですが、一階にエアコンがあっても無理ではないと思いますが、居室内にのみエアコンがある場合、再熱除湿機能が付いていないと部屋が冷えすぎてしまい全館冷房は難しいです。

 

一階にRAYエアコンがある場合

ドライ(再熱除湿)で運転して、階段の下にサーキュレーターを設置して二階に向けて冷気を押し込む方法が想定されます。再熱除湿であるため、電気代はやや高くなります。冷房運転では一階が冷えすぎて、すぐにエアコンが除湿をやめるサーモオフ現象が起きて室内は低温高湿の状態になるでしょう。

二階にもエアコンがある場合は、一階はRAYで再熱除湿、二階は冷房運転という手段もあると思いますが、一階のRAYの消費電力を下げようとして冷房運転をするとエアコンが設置している付近の温度が下がってサーモオフになりやすいと思います。

平屋の場合はこのパターンになると思いますが、平屋においても冷房運転で全館冷房するのは同様に難しいと思います。理由として、居室にエアコンが付いている場合、居室でエアコンを冷房運転すると寒いからです。その場合は再熱除湿が良いと思います。

それでも、電気代の安い冷房運転で全館冷房したいとなれば、風量を最弱・風向きを真下にして、設定温度を1℃づつ上下させて絶対湿度が12g/m3以下になる設定温度の上限を探して部屋が冷え過ぎないように、エアコンの下に扇風機やサーキュレーターを設置して冷気を攪拌すると良いでしょう。

 

二階の寝室にRAYエアコンがある場合

やはり、再熱除湿での運転になり、冷房運転では部屋が冷えすぎてしまいます。気流が人に当たらないようにすると快適だと思います。設定温度に関してはエアコンの吹き出し口の絶対湿度を元に、設定温度を下げ過ぎないようにすると良いでしょう。

 

二階の使用していない部屋にエアコンがある場合

二階にエアコンがある場合は、エアコンはどの部屋にあっても冷房運転での全館冷房が可能だと思いますが、この場合は風量を最弱・風向きを真下にします。理由としてサーモオフを回避するためにエアコンが設置してある天井付近の室温を高くするために、エアコンから出てくる冷気は真下に落として床を這わせる必要があります。エアコンを運転している部屋の中では空気を掻き混ぜるとエアコンがある天井方向が冷えてサーモオフになるでしょう。

もしエアコンからの冷気が全部一階に流れてしまう場合は二階が涼しくならないため、扇風機かサーキュレーターを設置して二階に冷気を送り込む必要があります。また、床を流れる冷気は居室においては足元が不快に感じる場合がありますから、その場合は人の足元に冷気が到達する前に扇風機やサーキュレーターで空気を攪拌すると良いでしょう。

 

これからエアコンを付ける方は

寝室にエアコンを付けるなら再熱除湿機能が付いた上位機種にするか、寝室以外の使っていない二階の部屋にエアコンを設置することをお勧めします。エアコンによる冷房病を避けるために出来るだけ寝室にはエアコンを付けず、人から離れた位置にエアコンを設置した方が良いでしょう。

エアコンが小型の機種をお勧めします。大型の機種の場合、冷房運転をすると部屋が冷えすぎてしまい事後の対処が難しくなるからです。そして念のために再熱除湿機能が付いた機種をお勧めします。

二階に設置するエアコンの設置方向が一階にしか冷気が落ちない方向であると二階が涼しくなりません。二階と一階に均等に冷気が流れる場所に設置する必要がありますが、難しい場合はエアコンの真下にサーキュレーターや扇風機を設置して二階に冷気を送る必要があると思います。

 

 

エアコンの設定温度は機種次第

小型のエアコンで全館冷房する場合は設定温度は20℃~25℃と低くなります。小さなエアコンで家全体を除湿するため低めの温度設定になりますが、これでもエアコンに負荷は全然掛かっていないことは消費電力を見ればわかります。

大型のエアコンを使う場合は設定温度を下げ過ぎると部屋が寒くなりますから、もう少し高い設定温度になると思いますが、適切な設定温度は家が冷えすぎず、除湿量に満足するポイントになりますから、設定温度を1℃づつ上限させ、エアコン吹き出し口の絶対湿度から探ってください。

決して、何となく設定温度を28℃とするような事がないように、エアコン吹き出し口の絶対湿度をみて設定温度を決めてください。設定温度が合っていないと温度だけ下がって、湿度が下がらないという現象がおきます。

最初は設定温度を低く下げて絶対湿度が低い状態からスタートして、そこから絶対湿度が12g/m3程度になるポイントがその家の最適な設定温度になると思います。吹き出し口が12g/m3で居室の相対湿度が60%を超える場合は設定温度を下げて絶対湿度を11g/m3まで下げてください。

24時間エアコンを運転しても、居室の相対湿度が60%以下にならない場合は除湿量不足です。その場合はエアコンの設定温度を下げてください。ただ、温湿度計は個体差がありますから相対湿度が61%の場合はダメという訳ではなく、60%前半なら良いと思います。

 

 

最後に

私は7年前に初めて高気密高断熱住宅に入居した時は窓を開けての風通しも試してみました。ただ、それでは熱帯夜は解消しませんでした。そこで設計段階から計画していた24時間全館冷房に切り替えたのですが、電気代はそれほど掛からずとても室内が快適になることが分かりました。

エアコン嫌いの方においては、再熱除湿を使うか、冷房運転においても室温が下がり過ぎないように設定温度に注意し、床を這う冷気の処理さえすれば部屋が冷えすぎることは我が家においてはありません。そして全館冷房をすれば熱帯夜も熱中症もない、部屋干しで洗濯物が乾く世界になります。

我が家での全館冷房は冷房運転であるため、梅雨は若干寒いですが夏になれば室温が上昇して少し動くと汗をかく程度の室温になり、相対湿度は60%以下であるため、電気代を抑えて健康的な空間でありながらダニの繁殖が予防できていますが、梅雨の冷房運転における全館冷房は難易度が高いです。

全館冷房には非常にメリットがありますが、高気密高断熱住宅は24時間エアコンを利用しても電気代は比較的安く済みますから、全館冷房に興味のある方は、既に家を建てた方においても、自己責任にはなりますがトライしてみてはいかがでしょうか。

本日は以上でございます。

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