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本日は気温の上昇と共に気になる日射熱についての考察です。

既に夏至に近づき日射量は年間を通じて最も多い時期です。春からオーバーヒートしやすい高気密高断熱住宅は計算してみると、オーバーヒートする理由が明らかになります。そこで今回は日射熱が室温にどう影響するかが分かるように計算ツールを改良しました(F式Q値Ua値μ値計算シート)。

省エネ基準においては、H25年基準ではηA値(イータエーち:外皮平均日射熱取得率)が基準ですが、今回はQ値と同じくH11年基準であるμ値(ミューち:夏季日射取得係数)を利用します。

これは私が持っている「住宅の省エネルギー基準の解説」と市販の計算ソフトがH11年基準のものであり、私の作った計算ツールの確かさを確認するための措置です。

ただ、H25年基準とは方位係数の変更以外は大きな違いはないため、μ値はまだ有効だと思います。また、μ値の数値検証はしておりますが、各家庭ごとに環境が異なるため、内容に関しては各自でご判断ください。

 

5月と8月の室温を計算してみた

気象条件は東京として、室内条件は窓を開けずにエアコンを使っていない状態です。μ値は数値が低い程よいのですが、実際には隣家や植物の日陰の影響を受けます。今回は野原の一軒家の状態で計算していますが、夏は太陽角度が高いため陽当たりは多くの家で良くなります。

色々と計算してみると、一条ハウスの遮熱ペアサッシの方のμ値は0.040程度、遮熱トリプルサッシの方は0.030程度の方が多いと想定されます。これは大窓を採用したiシリーズにおいてハニカムシェードをあけてレースカーテンにしている実生活に近い状態で計算した結果です。

H11年基準ではⅣ地域は0.070が上限値でしたから、0.040なら十分良いじゃないかと思う方もいると思いますが、Q値が良い家については、0.040では5月から室内に熱が籠ってオーバーヒートしてしまうのです。

μ値が0.040の家の場合

以下の水色のセルの5月をご覧ください。窓を閉め切れば夜間ですら28.4℃と相当に寝苦しい状態です。日中の窓際においては36.4℃まで上昇すると計算されています。多くの方が日中から窓を開けているということを表しています。

μ値が0.030の家の場合

これぐらいのμ値の家だと生活がしやすくなりますが、5月の室温は27.5℃とまだ寝苦しいといった感じでしょう。夜間は窓を開けるか、キッチン等の換気扇を運転する必要があるでしょう。

μ値が0.015の家の場合

ここまでμ値が良い家はほとんどありません。これは南以外の窓が小さい我が家が全窓にスダレを設置した状態のμ値です。5月の室温は夜間も26.2℃と計算され、実生活でも快適でした。ただ、梅雨の中盤からエアコンが必要になってくるでしょう。

 

室温が上昇する原因は何か?

この計算例はμ値が0.040の家であり、日中に窓を閉め切れば日射熱だけで室温が10.8℃上昇する状態を表しています。セルが黄色の部分は一階と二階の窓ですが、10.8℃の温度上昇の内、9.03℃の室温上昇に影響を与えており、日射熱の84%が窓からの侵入であることが分かります。

一条工務店ほどの高断熱住宅では天井や壁からの日射熱の侵入はほぼ無視できます。家の中が暑いのは窓からの日射熱ということですが、一旦室内に入った熱は窓を閉めた状態では今度は室内で熱が保温されてしまします。

これから家を建てる方には特に意識して欲しいのですが、暑いなら窓を開けて換気すればよいではないかと思わない方が良いです。窓はお好みで開けても良いですが、その前に窓の外側に日除け設置することが優先事項だと思います。

窓の外で日射を遮れば、断熱材に守られた室内は木陰のように涼しくなります。春はまだ外気の絶対湿度が低いため換気扇を夜間に弱く回しておくと朝は涼しくなるなど、色々な手で温度と湿度をコントロールするのは楽しいものです。

 

計算ツールの入力方法

前回、Q値計算で解説した内容に少し入力が増えただけです。簡単だと思いますので是非ご利用ください。

②住宅別条件

ピンクの箇所が増えた入力箇所です。日射は方角によって日射量が異なりますから、建物の外壁の方角を入力するように変更しました。また、窓の入力は別シートに分割しましたが、玄関はこのシートにありますので、方位を入力してください。

③窓

今回から窓はシートが独立しました。同じくピンクの項目が入力が増加したものです。日射熱の計算のために、ガラスの種類と窓の方角・窓の日除けの有無(日射遮蔽物)、屋根の軒や窓の庇(シェード)の有無です。

申し訳ございませんが、遮熱ハニカムは日射侵入率がわかりませんでした。ハニカムシェードは内付ブラインドとして、窓の外に設置したシェードやスダレは外付ブラインドとして入力してください。

窓の日除けはIBECの「住宅の省エネルギー基準の解説」にある、オーバーハング型日除けの補正係数を利用しておりますが、省エネ基準の各地域区分ごとにマスタ設定をするのは煩雑であったため、Ⅳ地域の係数をマスタにセットしています。

自分のお住まいの地域に変更したい方は以下をみて、窓シートの「オーバーハング型日除けの補正係数」マスタを変更してください。こちらの56ページ(143項)に記載がございます。ただ、マスタを変更しても窓に日除けがないと結局μ値は悪化します。

 

 

最後に

本日は触れませんでしたが、Q値が良い家の方が春から室温が上昇します。高性能な断熱材を沢山使っているから木陰のように涼しくなるのではないかと考える方も多いと思いますが事実は逆です。

日射を抑えたとしても、Q値を良くし過ぎると今度は内部発熱(人体や設備等からの発熱)による室温上昇が増えて窓からの日射熱を上回る現象がおきると計算されます。

では、高断熱化は止めた方が良いのかというと、これからの検証になりますが、少ない冷房負荷で快適になるか、ならないのか、判断がわかれます。さらに計算しないと分かりませんが、これからの高気密高断熱住宅は全館冷房はセットだと思います。

次回はもう少し深く計算した結果を考察したいと思います。本日は以上でございます。

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