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本日は一条平屋ユーザーの雄である、まぼこさんのお家のQ値を計算してみました(ご本人にはご承諾を頂いております)。あくまで私の作成したQ値計算シートにおける数値となりますことをご了解ください。

まぼこさんは福島県にお住まいで昨年の冬に入る前にお引渡しを受けたようです。省エネ基準の地域区分では、H11年基準においてⅢ地域、H25基準では4地域という準寒冷地にお住まいになります。

さて、まぼこさん邸は平屋(床面積90.80m2)、私は二階建て(床面積87.46m2)ではありますが、床面積が比較的近いということと、iシリーズⅡになる前のEPS仕様の家ということで共通点があります。

結論から言うと、まぼこさん邸はQ値1.07W、我が家は0.95Wでした。この違いはどこでおきるのか、またQ値に対する考え方とはどうあるべきかを、本日は考察させて頂きたいと思います。

まぼこさん邸のQ値計算

計算には、F式 Q値Ua値計算シートを利用いたします。

まずは住宅条件から入力します。

  • 床面積 90.80m2
  • 玄関ドア K1.5 親子タイプ
  • 浴室 1.25坪タイプ
  • 玄関土間 3.5マス(斜め框ですが整理すると3.5マスの面積でした)
  • 建物外周 50マス長(45.5m)
  • C値 0.6cm2/m2 気密測定結果(ブログより)
  • 浴室基礎断熱 床下部分6.5マス長、外気部分2.5マス長
  • 玄関土間基礎断熱 床下部分4.5マス長、外気部分4.5マス長

上記に加えて、窓を入力するとQ値とUa値が算出されます。窓に関しては平面図の窓記号をそのまま入力できますが、旧仕様の方で、頭文字がJであってもペアガラスの場合は頭文字をFに置換して入力しください。以下の画像がQ値計算の結果です。

上記をみるとQ値は1.07W/m2・K(ワットパーヘイホウメートルケルビン)、Ua値は0.24W/m2・Kと計算されます。日常生活では温度は、℃(セルシウス温度:セ氏)が良く使われますが、物理ではK(絶対温度:ケルビン)を使うようです。

ただ、ゼロケルビン=マイナス273℃(絶対零度)なので、ケルビンとセ氏は換算が可能であり、Q値の計算結果はセ氏で考える事ができます。一見、難しく見えるQ値は、1時間当たり・1平米あたりの熱が逃げる量を表す便利なものです。

上記画像の一番下に熱損失97.2379W/Kとありますが、これはQ値に床面積を掛けた数値であり、まぼこさん邸が室温を1時間あたり1℃上昇させるために必要なW(ワット)数です。むしろ、ご自宅のQ値は覚えなくても結構ですので、ご自宅の室温を1時間1℃上げるのに何ワット必要かを知っておくと便利です。

仮に10℃室温を上昇させたい場合は972Wのエネルギーが必要となり、床暖房のCOPが4.2であるなら、消費電力は231Wとなります。冷暖房器具の消費電力はワットチェッカーで確認できますから、消費電力をQ値で割ればおおよそのCOPが分かります。

そして、10℃室温を上昇させた場合において、暖房器具のCOPが4.2の場合の1月間の電気代は0.231kWh×24時間×30日×目安単価27円=4,490円ということになります。

ちなみに、まぼこさん邸をiシリーズⅡにした場合のQ値は。0.9Wでした。

当時のi-cubeのカタログQ値は0.76Wではなかったのか?

まぼこさん邸は基本的に全面トリプルサッシです。我が家は準防火地区なので、延焼ラインから外れた一部だけトリプルサッシであとは防火ペアサッシですから非常に羨ましい限りです。

なぜ、Q値がカタログの0.76Wから1.07Wという風に1.4倍も悪化したかというと、簡単に言えば平屋だからです。ご本人は変形平屋と仰っていますが、おおよそ建物の長さは東西2に対して南北が1の割合でした。

容積が同じ物体であっても球体に近い程に表面積は減ります。表面積が減るということは熱の損失量も減ります。ただ、家を球体にする事は難しいので、もっとも表面積を減らすには真四角な家を作った方が有利ということになります。そうです、i-cubeの名前が示す通り、同じ床面積の家であってもキューブ型が省エネには有利なのです。

通常の建物の軒高さは6m程度ですが、平屋の場合はこの半分程度の高さで横に広がっていく形になるため、建物外皮(天井・壁・床)の面積が大きくなって、熱損失量が増えてしまうのです。

では、平屋の魅力とは?

熱損失が増える平屋ですが、まずは耐震面で非常に有利になります。建物の上に重たい二階や三階がないということで、建築の制限がかなり少なくなり、開放的な間取りが可能となります。3階建ての場合は耐震等級3を取ろうとすれば間取りが非常に制約されます。

そして、平屋のもう1つの魅力はバリアフリー化がし易いことです。家の中に階段という大きな段差がないということは、将来を考えると大変大きなメリットと言えましょう。私も老後は平屋に住みたいという夢を持っています。

平屋を建てるということは土地の広さが必要であり、都市部においては地主の家族以外はほぼ不可能だと言えます。本来、平屋とは非常に贅沢な住み方なのですが、小学生時代はなぜか三階建てに住んでいる方が持て囃されるという珍現象が起きます。

一般的には基礎の施工面積や外皮の面積が増える平屋は建築費用が高額になりがちなのですが、一条工務店では坪単価に数万円程度プラスするだけで、平屋が建築できるとあって、一条ユーザーに平屋が多いのも頷けます。

平屋と二階建てを比較してみよう

それでは、平屋のまぼこさん邸と二階建ての我が家を要約した表の数値で比較してみましょう。

Q値は、まぼこさん邸は1.07W、我が家は0.95Wです。二階建てに比べると平屋は二階がない分、外壁の面積が減りますが、その分天井と床の面積が増えているため、建物が真四角から遠くなる分、Q値が悪化するということになります。

一方で窓からの熱損失に関しては、我が家は相当に窓の数と面積を削ったにも関わらず、まぼこさん邸と同じ程度の熱損失になってます。これはトリプルサッシを我が家が一部にしか採用できなかったためでしょう。

我が家は勝手にスイッチがある階段ホールは採光窓を付けなかったですし、今から考えると勝手にスイッチがついているトイレに窓は必要だったのかなんて考えてしまいます。換気については換気扇を使って方がキッチリ空気が排出されますから。

Q値は内訳を見ないと分からない

Q値は総熱損失を家全体の床面積で割ったものであり総平均です。世間ではQ値同士を単純比較して家の快適性を説明しているような場合がありますが、それは大雑把過ぎると思います。

Q値は総平均ですから、家の強みと弱みが平均化されてしまっています。総平均の数値が優れている事と住み心地が良い事は必ずしも一致しないということを知れば、冬季の住み心地の良し悪しは、室温を均一化する対策にあると言えます。

Q値の使い方はその内訳をみて、断熱の弱い部分を探し、それに対して有効な対策を取っているかどうかということだと私は考えます。私は一条工務店と契約した早い段階にQ値を計算していたため、どこに断熱材がないか知る事ができました。

下の表の水色の部分が面積が小さい割に熱が沢山逃げている冷気(コールドドラフト)が発生する家の弱点を表しています。基礎底盤の断熱に関しては浴室の下は床暖房が入っているため、玄関土間が弱点であり玄関ドアと共に冷気を発生させます。

ただし、そんな難しい事を考えなくても、日当たりの悪い方角と大きな窓や玄関方向から冷気が発生するということを覚えておけばよいでしょう。

一条工務店の超断熱の家には冷気が発生しないと思っている方もいると思いますが、冷気の正体はたかだか数度の温度差の空気であり、一条工務店の家にも日当たり等によって発生し得るものであることは、まぼこさんの記事からもわかります。

具体的対策としては、まぼこさんが実践されたように、日当たりに合わせた床暖房のエリア別の温度設定と、窓や玄関ドアの選択についての考察が的を得ていると思います。

さらに、私から1点付け加えさせて頂くとすれば、冷気の通り道にエアコンやサーキュレーターを設置することも有効ではないかということです。これから家を建てる方は床暖房と共にエアコンやサーキュレーターの併用も検討されると面白いでしょう。

暖かい空気は上に上がる、冷たい空気は低い方向に床を這うと覚えて下さい。吹抜けの天井等につけるシーリングファンでは空気を押す力が弱いのでコールドドラフト対策には向かないでしょう。エアコンかサーキュレーターが良いと思います。

最後に

同じQ値の家であっても冬季の住み心地が異なる理由は、コールドドラフト対策にあると言えます。家の中の一階と二階、そして同じ階のすべての部屋の温度差を2℃(できたら1℃)以内に抑えることが、住み心地を格段に向上させると思います。

そして、Q値はもちろん良いに越したことはないですが、北海道を除けば1.5Wもあれば十分だと思います。なぜなら、ヒートポンプ式の暖房器具を使えば、多少のQ値の差は補えるからです。カタログ数値のQ値ばかり目が行きますが、大切なのは住み心地の良さに拘って設計することだと思います。

Q値の良い一条ハウスはこれから太陽角度が上がり日射が侵入してくる季節には、冬季とはまた違った対策が必要になってきます。冬・春/秋(中間期)・梅雨・夏と4つの対策をすれば、1年を通じて快適な高気密高断熱住宅ライフを送れると思います。

私は悪戦苦闘しながら高気密高断熱住宅に住んで6年が経過しますが、入居初年度の冬に湿度調整から室温調整までやってのけた、まぼこさんには驚くばかりです。恐らくこれから春のオーバーヒート、梅雨のエアコン運転に苦労されるとは思いますが、これからの各シーズンも、その鋭い洞察力で乗り越えていかれることでしょう。

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