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本日は洗濯物を部屋干しした場合における室内の湿度を計算してみます。計算にあたっては、F式露点計算シートにその機能がございますので、ご利用頂ければ幸いです。

はじめに

高気密高断熱住宅に住んで全館冷房を取り入れている我が家は洗濯物に花粉等が付くのを避ける意味を含めて、1年を通じて洗濯物を全く室外に干しません。そのために、我が家は窓を常時閉めて室内の湿度をコントロールしています。

洗濯物は部屋の中に干すか洗濯乾燥機を利用して乾かしていますが、洗濯物はまったく臭くないです。そして、現在ではホコリの舞う屋外に干す方が洗濯物が汚くなると思うようになってしまいました。

特段、部屋干し用の洗剤は使っておりませんが、なぜ洗濯物が臭くないかというと、高気密高断熱住宅は冬と中間期は乾燥している事と梅雨~夏はエアコンを使って屋外よりも湿度を低くしているため、室外よりむしろ室内の方が洗濯物が早く乾きます。早く乾くと臭いの元となる雑菌の繁殖が抑えられます。

布団に関しても外に干さなくなりました。室内が60%以下の低湿度に維持されているためダニがいないからです。ただ、寝汗をかく方は朝起きたら敷き布団をめくっておかないとカビが発生するでしょう。シーツは定期的に洗濯しています。

出典:一条工務店 湿度管理を行う

ダニやカビ対策については湿度を下げることが強力な対策になりますが、高気密高断熱住宅は設計次第でそれを簡単に行うことができます。高気密な家の一番の特権はダニやカビ対策が可能になるという事に尽きると思います。

今までの日本家屋で実施されていた日干し・掃除・窓を開けての通風といった家事は言い換えればダニやカビとの闘いであったとも言えますが、全館空調を導入して室内を除湿された空間にしてしまえば、その家事から解放されます

洗濯物や布団を屋外に干さないなんて、考えられないと思う方が多いと思いますが、湿度がコントロールできる設計をした高気密高断熱住宅に住んでみると、外に洗濯物を干さない生活スタイルが高温多湿な日本には合っていると実感しました。

また、洗濯物を室内に干せば天気や時間に左右されず生活をする事ができるためメリットが大きいです。高気密高断熱住宅は全館冷房を設計に取り入れる事で生活様式を大きく変えることもできるのです。

これから家を建てる方には、洗濯物を干すためのサンルームよりも、エアコンや除湿機によって除湿された室内の方が洗濯物が早く乾くことを知って欲しいと思います。

冷房中に窓を開けたり浴室やキッチンの換気扇を回してしまうと、せっかくエアコンで低湿度にした空気を外に捨てて、代わりに高湿度な外気が入ってきますから、部屋干しによる洗濯物の乾燥が遅れてしまいます。

部屋干しをするためには、全館冷房の導入と部屋干しスペースの用意を検討頂ければと思います。浴室乾燥機については使い勝手は便利ですが、消費電力が大きい事から省エネ面からはお薦めしません。

全館冷房に関しては2階の階段ホール等に小型のエアコン(画像は6畳用のエアコン)を1台設置すれば実現できる簡単でリーズナブルものです。1階から熱が上がってくる場所にエアコンを設置することがサーモオフ防止のポイントです。

2階建ての家で1階にしかエコアンがない場合は2階は涼しくなりません。冷たい空気は低い方に流れるため、エコアンは2階の人から離れた場所に設置することで冷風が人に当たらずに1階まで温湿度が下がる状態が作れますから冷房病の方には持って来いだと思います。

全館冷房方式についてはこちらをご覧ください。

計算シートの入力方法について

入力箇所はクリーム色のセルとなり、通常は8か所のみです。こちらを入力すると室内の湿度が何%になるか分かります。若しくはお部屋の湿度計の湿度に合うまで生活排湿を入力すると実際の加湿量がわかります。ピンク色のセルは計算結果となりますが、加湿量に関しては再計算していますので、小数点の計算誤差がありますがご容赦ください。

  • 室内の温度
  • 室外の温度と湿度
  • 加湿量(加湿器:利用していない場合はゼロを入力、生活排湿は家族数によって変更)
  • 床面積
  • 天井高さ(通常は2.4m)
  • 換気回数(通常は変更なし)

生活排湿と内部発熱について

建築初年度は室内の木材等から放湿するため湿度が高くなりますが、それ以外にも人が普通に生活しているだけで室内の湿度は高くなります。生活排湿量に関してはパナソニックの資料がありますので参考にして下さい。概ね以下の計算になります。

  • 人 1名につき1.5リットル/日
  • 炊事 2リットル/日 ※調理時にキッチン換気扇を利用する家庭は除外
  • 家事 1リットル/日
  • 洗濯 0.5リットル/日
  • 洗濯乾燥 1.5リットル/日 ※ヒートポンプ式の場合は多くは結露水として排出される
  • 入浴 2リットル/日  ※入力後に浴室換気扇を利用する家庭は除外

生活スタイルによって生活排湿量はかなり変わると思いますが、私の家では省エネのために調理においては油ものでなければキッチン換気扇を動かさないことと、入浴後に浴室換気扇も動かしません。ただ、ヒートポンプ式の洗濯乾燥機を利用しているため、洗濯乾燥時に発生する水蒸気は冷やされて排出されますから、それ以外のすべてが生活排湿となって家を加湿していることになります。

また、高気密高断熱住宅は日射や人の生活により室温が上がります。Q値が1.0W程度の家であれば日射を含めて8℃程度は上昇してしまいますから、外気の平均気温が20℃を超える時期に発熱する除湿機をずっと利用すると室内が暑くなってしまいます。

以下の計算事例は東京の2016年5月の平均外気温湿度です。9.5リットル/日の生活排湿を加湿量として入力しており、外気温より8℃室温を高く入力しています。外気の湿度は66%ですが、高気密高断熱住宅は窓を閉めると家に熱が籠り室温が上昇して空気が膨張するため室内の相対湿度は55%になると計算されます。

外気が涼しい時期は窓を開け閉めすることによって、室温を調整すれば室内の相対湿度をコントロールできます。ただ、窓を開けて室内の湿度が快適になる時期は温暖地では5月と10月の一部しかないため、私は窓をずっと閉めて生活をしています。

夏季の除湿量の計算

東京の2016年8月の平均の外気温湿度は27.1℃、78%でした。以下の計算例ではエアコンがどの程度除湿しているのか確かめてみました。室温は27℃、生活排湿は9.5リットル/日として、加湿量のセルに▲1.0リットル入力すると、室内の相対湿度が59%になりますがマイナス入力は除湿を表します。

夏は室内に洗濯物を干そうが干すまいが外気の絶対湿度が高すぎてエアコンで除湿しないと不快な状態になりますから、小まめにエアコンをON・OFFするよりも24時間全館冷房すれば、快適になると共に洗濯物は部屋干しした方が早く乾くようになります。

エコアンを24時間運転したらすごい電気代になるとか、エアコンが早く壊れると考えると思いますが、高性能な家で小型エアコンを1台しか動かしていないため電気代は安いです。また、エアコンは6年間運転していますが壊れてません。

室内の相対湿度は60%を超えるとダニの発生が懸念されてくることと蒸し暑くて不快になってきますから、室内の相対湿度は55%以下が快適だと思います。家中どこでも低湿度な全館冷房の家は冬の全館床暖房に匹敵する感動を味わうことができます。

この計算事例は概ね私の実生活に基づいた事例であり、毎時間エアコンが1リットル除湿していると計算されています。1日では24リットルも除湿している事になります。エアコンの除湿量は除湿機より格段に多いことがわかります。

夏の高気密高断熱住宅は窓に日除けをすれば、日中に屋外が高気温になっても、断熱材が木陰の代わりとなって室温は急上昇しません。しかし窓を閉めると室温は安定して上昇しますから、この計算事例の外気平均気温27.1の状態の場合、内部発熱8℃を加えると室温は35.1℃にもなってしまいます。

ここで窓を開けてしまうと涼しくはなりますが、高湿度な外気が侵入してしまい洗濯物の部屋干しが乾燥し難くなりますから、窓を閉めてエアコンを使う必要がありますが、小型のエアコン1台を24時間運転するだけなので消費電力は大きく増えません。

温暖地では6月の梅雨の途中から室内の湿度が60%を超えてきます。この状態になったらエアコンの運転を開始しますが、外気温の低い時期に大型エアコンを使って除湿すると室温が冷えすぎるため、小型のエアコンを使うか再熱除湿機能を利用されると良いでしょう。

エアコンを運転しても湿度が下がらない場合はエアコンの設定温度が高いためエアコンがサーモオフを起こして運転を止めてしまっているからだと思います。設定温度を下げると室内が寒くなってしまう場合は再熱除湿(ドライ)に切り替えると良いでしょう。

高気密高断熱住宅は窓を閉めると熱が籠ります。この特性を逆手に取ってエアコンを常時熱が集まる場所(2階等)に設置すればサーモオフを起こさずに、24時間連続運転を行い家中を除湿する事が可能となる訳です。

冬季の加湿量の計算

この計算事例は2016年1月の東京の数値です。生活排湿を9.5リットル/日とした場合、室温を22℃にすれば室内の相対湿度は38%になりました。洗濯物を室内で干しても加湿器を使って加湿しないと高気密高断熱住宅は相対湿度が40%を下回る事がわかります。ただ、私は湿度30%台でもまったく問題なく生活しています。

以下は1時間に0.3リットル(300ml)加湿した事例です。室内の相対湿度は51%となりました。

冬は加湿し過ぎると窓が結露する

冬季の洗濯物の部屋干しと共に加湿器を利用して大量に加湿すると、窓やハニカムシェードが結露する可能性が高まります。本計算シートでは以下のように露点(結露する温度)およびその周辺の計算結果が一覧で確認できますのでご利用ください。放射温度計をお持ちの場合は窓の表面温度を測ると何℃で結露するか、湿度はどれぐらい調整すれば結露しないかわかるようになります。

除湿機とエアコンの違い

除湿量は圧倒的にエアコンが多いです。除湿機は200Wで1日運転すると6リットル程度の除湿量だと思いますが、エアコンは200Wで1日運転すると20リットル程度も除湿をしていました。この理由はエアコンの室内機を開けてみると分かりますが、エアコンは面積の大きいアルミの熱交換器を搭載しているため大量に結露させて除湿できるからです。

除湿機は屋外への廃熱機構を通常は持っていないため、稼働させると室温が上昇します。一方で、エアコンを使うと室温が下がるため、気温の低い梅雨の初期は除湿機若しくはエアコンの再熱除湿を使うと良いでしょう。

除湿機はホースでの連続排水(エアコンのドレン排水と同様)に対応している機種がありますので、その場合はお風呂場の横に除湿機を設置すると良いでしょう。ホースを直接排水管に繋げている方もいますが、常時接続しておかない下水から臭いが上がって来る気がします。

また、除湿機には大きく分けてデシカント式とコンプレッサー式があって、消費電力が少ないコンプレッサー式をお勧めしますが、音がうるさいため置き場所に注意が必要です。

除湿機とエアコンを比べると消費電力と除湿量は圧倒的にエアコンの冷房運転が有利です。お風呂や脱衣所で部屋干しをする場合は、廊下側からエアコンによって除湿された空気を扇風機等で送り込む方法が最も低コストな部屋干し方法だと思います。

除湿機の利用が有利な場合

消費電力が200Wの除湿機を稼働すれば、Q値が1.0W、100m2の家では室温が2℃程度上昇してしまいます。住んでいる地域によりますが、東京では梅雨に入る6月の平均気温が22.4℃ですから、Q値1.0W程度の家の場合内部発熱で8℃上昇するとなれば、温暖地では除湿機の利用はさらに蒸し暑さを招いてしまう事がわかります。

除湿機の利用に関しては間仕切りされた部屋干しスペースにおいて短時間に洗濯物を乾かす場合に有効な手段だと言えましょう。一方でエアコンで全館冷房している家に関しては、開放された空間に部屋干ししている場合は除湿機を使わなくても洗濯物は夜に干して朝までに乾きます。

私の場合は除湿機は利用していませんが、建築初年度の冬に木材等から放湿される過剰な湿気に悩まされた場合には、エアコンで除湿すれば室温の低下を招きますから、この場合は室温が上昇する除湿機を利用した方が良いでしょう。

終わりに

一条工務店の家では冬の全館床暖房に目を奪われがちですが、高気密高断熱住宅には四季を通じてその性能を利用する設計方法があります。部屋干しに関してもその性能利用の1つであり、もう洗濯に関して天気や時間を気にする必要はなくなります。

我が家はズボらなので、私のYシャツ(形態安定のもの)だけ洗濯が終わったら手でハンガーに干して、タオルや下着等の洗濯物は安い深夜電力で乾燥機に掛けています。そして、乾いたらたたたまずにカゴに入れて、そこから使ってます。

部屋干しスペースに余裕があって、洗濯物を隠せる家は、干して乾いたら、たたまずにそこから使うということもできます。かなり横着な生活スタイルですが、家事の時間を短縮して余暇や家族でゆっくりする時間に充てることができます。

周囲から何てだらしない生活なんだと言われそうですが、高気密高断熱住宅は使い方次第で、これまでの家とは全く違う生活が可能だということは知っておいて損はないと思います。特に仕事や子育てで忙しい方は家事が楽になる全館冷房を取り入れた生活スタイルを設計時点で考慮されてみてはいかがでしょうか。

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